- 待機料はいくらぐらい?
- 月に何日待機してる?
- 呼び出しから何分で行ったら良い?
- 待機ってどのぐらい呼ばれるの?
- そもそも待機がない病院はあるの?
臨床工学技士の待機について上記のような疑問にお答えします。
この記事はこれから業務に関わる人、現在勤務している人、転職したい人が対象です。
実は…
ほとんどの場合、入職するまでどのような体制で待機を行っているかがわかりません。
なぜなら
募集要項には待機料〇〇円と書いてあってもその詳細が記載されていないからです。
私は臨床工学技士として10年以上勤務しており、横のつながりから様々な待機環境を見てきました。
この記事では、募集要項に書かれていない待機環境について、待機料や頻度、仕事内容を踏まえて解説します。
この記事を読むと臨床工学技士の待機環境の実情が分かります。
また自分が就職や転職するとき待機環境を確認することで失敗しない転職活動に役立ちます。
入職してからこんな待機があるなんて知らなかったなんてことが無いようにしっかり調べましょう。
「待機」とは緊急に備えて待機すること
病院勤務でよく耳にする「待機」という言葉があります。
これは勤務時間外に病院内で治療や検査が必要になったときに「待機している人」が出勤するというシステムです。
基本的にその日の勤務終了後から翌朝8:30まで待機することになります。
病院ごとで待機についての規定が異なります。
- 待機料はいくらなのか?
- 呼び出しから何分で行ったら良いのか?
これらについても後で説明していきます。
そもそも臨床工学技士が待機をしていない病院もあります。
待機の日は夜中でも飛び起きて病院に向かいます。
待機料は500円~2000円と幅広い
待機料金は最安値で一日500円でした。
500円で一日拘束されるのは辛いですね…。
大学病院や市民病院など大きめの病院だと1500円から2000円程度の施設が多いです。
月に5回待機があれば1万円になるのでお給料の面ではだいぶ違いが出てきます。
しかし安いかどうかは人によって違うので転職する上でも待機の回数と料金は確認する必要があります。
私の待機料は一回2000円でした。
多いときで月20回の待機だったので待機料だけで4万円とありがたかったです。
おかげで遊びには行けませんでしたが…
月の待機回数は最大20回
自分の経験では月に20回の待機をしていました。
後輩が増えるにつれて少なくなり、最終的には月8回程度までになりました。
行っている業務や人数によって月の待機の数は全く違います。
もし就職や転職を考えているならチェックしましょう。
ついでに私が人工心肺業務を行っているときは待機料無しで365日緊急対応しなければなりませんでした。
呼ばれる頻度が少ないのでストレスはあまりなかったですが今考えると結構きつかったです。
その時は緊急が来たらアドレナリン出まくってストレスなど忘れていました。
対応業務によって待機で呼ばれる頻度が変わる
対応業務によって待機をしていても呼ばれる頻度が全く異なります。
臨床工学技士が行う業務で緊急対応が必要なものは
- 人工心肺
- 血液浄化
- 心カテ
- 内視鏡
となります。
人工心肺での呼び出し頻度
人工心肺で呼ばれる頻度としては比較的少ないです。人工心肺症例を年間250例以上行っているハイボリュームセンターを除きます。
冬には大動脈解離の患者が増えて忙しくなることもありますが他の業務に比べると少なくなります。
1回の拘束時間は8時間程度になります。
血液浄化での呼び出し頻度
血液浄化業務で呼ばれる頻度は人工心肺よりは多くなります。臨床工学技士が当直を行っている施設に関しては当直者1人で完結できる業務ですので待機は必要ありません。
溢水や高カリウムの患者に透析を行うことが多いです。
1回の拘束時間は4-5時間程度になります。
心カテでの呼び出し頻度
心カテ業務で呼ばれる頻度は透析よりも更に多くなります。
私の経験では週1.2回程度呼ばれています。
しかし1回の拘束時間は人工心肺や透析のように長くなく検査のみなら1時間かからないこともあります。
ECMO導入とかになるとむしろ長引きますよね…
内視鏡での呼び出し頻度
内視鏡業務での呼び出し頻度は多いです。
私の経験では心カテと同じぐらいで週1.2回は呼ばれています。
呼ばれる頻度が多い分、1回の拘束時間は少なく、早ければ1時間以内に終わることもあります。
吐血や下血の患者さんが運ばれて来ることが多いですね。
呼び出しから30分以内に病院へ
どの病院でも基本的に呼び出しから30分以内に来ることになっています。
しかし病院によっては内規で1時間以内とされていることもあり確認を取る必要があります。
もちろん1番いいのはできるだけ早く来ることです。
私が勤務していた病院では暗黙の了解で30分という決まりがありましたが病院の内規には1時間以内という記載でした。
さらに病院で規定された時間内に来ることができれば自宅にいなくても良いとされていました。
病院の隣に住んでいる職員はいつも10分以内に来ていました。
そして家が遠いと遅く来てもいいのに家が近い人が遅くなると怒られるという理不尽が起こる…。
待機がない病院の対応方法
私は待機がない病院での勤務経験もあります。
ここでは待機がない病院での緊急時の対応について解説します。
緊急時は誰かが来る
1つ目は緊急時は誰かが来るというものです。
これは技士長やその日の電話番が片っ端から電話を掛けて来れる人を探すというものです。
実際こうして緊急対応している施設もまだまだあります。
私が勤務していた病院では、当直者がいて大抵のことはその人が行いますが人手が足りないときは片っ端から電話を掛けて応援を呼んでいました。
大体いつも同じ人が来ることになってしまう。
人工心肺業務を担当していたときは待機がなくても365日いつでも病院行ける状態にしておく必要がありました。
待機ないのに365日空けておくなんてブラックですよね…
待機がない病院では臨床工学技士が来ない
もちろん待機の制度を導入していない病院もあります。
夜間休日の緊急は、臨床工学技士は呼ばれません。
緊急対応は夜勤の看護師と医師で行う体制が取られています。
しっかり線引されていることは良いことだと思いますが、
個人的には臨床工学技士がいなくて治療や検査が出来てしまうのは悲しいです。
「臨床工学技士さんも来てよ」って言ってほしい…
注意
今回臨床工学技士の待機環境について解説しました。
あくまで私の経験から解説したものですのですべての病院でこのような体制が取られているわけではありません。
もちろん夜勤を取り入れている施設もあるでしょうし、様々な働き方があるはずです。
まとめ
臨床工学技士の待機環境は
待機手当は1回1500円から2000円
→1番安いと500円というところもあるが0円で待機している施設もある。
一般的には1500円から2000円程度の手当となる。
呼ばれる頻度は業務により異なる
→人工心肺は頻度は少ないが呼ばれると長時間の勤務になる。
一方で心カテや内視鏡は週に1.2回呼ばれるが比較的勤務時間は短くなる。
呼び出しから30分以内で病院に行く
→病院それぞれの内規によって異なるが、暗黙の了解で30分としている施設が多い。
待機がない病院もある
→待機がない病院は待機料なしで待機を行っているか、臨床工学技士無しで緊急対応を行っているかとなっている。
以上が臨床工学技士の待機環境です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
待機環境を踏まえた上で転職を考えるのがいい選択だと思います。
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