- 当直のある施設で働いたことがないけど実際はどんな感じ?
- 当直って大変そうだけどそれに見合う手当はもらえるのかな?
こんなことを考えていませんか?
この記事では臨床工学技士の当直業務について現役CEが解説します。
私は複数の施設で当直業務を経験し、他施設の業務報告も多く聞いてきました。
そんな私が実際の当直業務について解説します。
CEの当直に関してまとまった情報は今までなく、この記事を読めばCEの当直のリアルが見えて来ます。
そして、当直の有無で転職先を悩んでいる方がいれば間違いなく参考になる記事です。
当直のメリットとデメリットもまとめてあります。
CEの当直は施設によってしている施設としていない施設があります。
当直に求められるスキルは、施設によって異なりますが2−3年目から当直に入ることが多く、その程度の期間で習得できる範囲内の業務になります。
手当も施設によって異なり、私の経験では1回5千円から1万2000円と幅広かったです。
当直の忙しさに関してはコール対応なので寝れないほど忙しい日もあれば、暇な日もありました。
【2014年】臨床工学技士の当直が必要となった
臨床工学技士の当直は、2014年から施設基準で定められています。
2014年以降、臨床工学技士は積極的に当直の導入を行なっていますがその歴史は、まだ浅く、施設によって業務内容に差があることも否めません。
施設基準を満たさなくて良い病院では、まだまだ臨床工学技士が当直していない施設が多いです。当直業務をしている施設のほとんどは急性期の施設となります。
それでも2014年近辺で一気に求人を募集する施設が増えたのを覚えています。
臨床工学技士会からも当時お知らせがあり、当直についてのQ&Aを作成しています。
これ以降から臨床工学技士が積極的に当直業務を行うようになり、
当直のメリット・デメリット
当直のメリット
- 自分のスキルアップにつながる
- 給料が増える
- 忙しくなければ自分の時間になる
当直では、緊急のトラブル対応などを行うことで対応力が鍛えられます。また1人でしなければならない業務が多いので自然に勉強するようになり知識や技術も得ることができます。
当直手当があることでお給料が増えることもメリットで手当の金額や当直回数にもよりますが年収で20-50万円程度変わってきます。
私自身は当直を学会の資料作りなどの時間に当てて有意義に使うことができました。
詳しい当直業務内容は後で解説しています。
当直のデメリット
- 勤務が不規則になる
- 日によって当たり外れがある
- 手当が安いことがある
当直業務は日勤終わりから翌朝まで(17:00-翌朝8:30)と拘束時間が長いことがデメリットです。そのせいで生活リズムが不規則になることもあり体力面で辛いと言う人もいます。
もう一つのデメリットは、忙しい日と忙しくない日があり、全く寝れない日もあれば仮眠が取れる日もあることです。忙しい日は大変ですし、仮眠が取れても緊張して寝れない人も多いです。
手当の金額が施設によって異なり、業務量に見合わない金額で当直をしなければならないこともデメリットです。私も1回5000円と1万2000円の当直を経験しましたが業務量は変わりませんでした。
当直業務があるような施設で働きたいならこちらで転職を考えてください。
転職についての記事はこちらです。
>>CEの転職活動方法3選【失敗しないの方法を解説】
>>転職に有利なCEの要素5選【1人で転職活動は危険】
>>CEの転職先の選び方【各施設の特徴を解説】
臨床工学技士の当直業務内容は施設による
そもそも臨床工学技士が当直をしている施設としていない施設があります。
当直を行っている施設では、管理当直という形を取っている場合が多いです。
当直に関するスケジュールは以下に示します。
当直業務は、17:00の日勤業務終了後から始まります。17:00からは日勤業務の残りなどを片付け、その後はコール対応になります。呼び出しがあれば対応を行い、なければ休憩・仮眠を取ることもできます。8:30までは当直業務内なので前日の日勤を合わせると拘束時間は24時間になります。
当直終わりは休みになり、次の日の日勤帯(8:30)に出勤します。
当直中何も呼ばれないこともありますが、結局自分の勉強や学会発表の資料を作っていると時間が足りないぐらいです。また忙しいときは休憩も仮眠も取れない日もあります。
代表的な当直業務内容
臨床工学技士の当直業務は多岐にわたります。
一般的にはICUでの対応が多いですが、その他にも多くの業務をこなす必要があります。
代表的な業務内容を以下に示します。
- ICUでのコール対応
- 病棟でのコール対応
- 手術室での物品管理(滅菌物等)
- その他(緊急透析、緊急カテ、緊急内視鏡等)
ICUでのコール対応
1番多い業務はICUでの業務です。
ICUでは急性期領域についての一通りの知識が必要となります。
ECMOやCHDFについての知識やモニターなどの不具合にも対応しなければなりません。
上記以外にも様々な内容で対応しなければなりません。
急性期となるとスピードと正確さが必要になるので1-2年目ですぐに当直に入ることは少ないです。
実際に私の施設では、臨床工学技士18人に対し当直業務を行っているのは7人程度でした。
病棟でのコール対応
ICU業務と同時に病棟でのコール対応も行います。
病棟では、モニター関連や人工呼吸器についてのトラブルが多いです。
ゆっくり解決しても問題ないトラブルが多いので日勤帯でしっかり機器管理業務を学んでいれば2年目からでも対応できます。
実際には、人工呼吸器のマスクについてや急にモニターの受信状況が悪くなったなど様々です。
手術室での物品管理(滅菌物等)
手術室での物品管理も当直業務の1つとして行っている施設もあります。
これに関しては手術室業務自体を行っていない施設ではやることはありません。
手術室で扱う機器の点検や滅菌について、緊急手術時の臨床支援を行うこともあります。
手術室に従事していれば1-2年程度の経験があれば十分対応できる範囲の業務です。
実際、手術室でのモニターの配線や機器の使用方法について聞かれることが多いです。
その他(緊急透析、緊急カテ、緊急内視鏡等)
当直業務と一緒に各業務の支援をすることもあります。
施設によっては、当直者は行わず各業務の待機者を呼ぶ施設も多いです。
すべての業務をこなすには多くの知識と経験が必要になり、1,2年目ですぐに当直業務を行うことは少なく、3年から4年程度の経験を積んでから当直に入ることが多いです。
当直者1人ですべての業務をこなすような施設では、限られた人しか当直に入っていないことが多いです。
また当直でなく夜勤の体制を取っている施設もあります。夜勤ではルーチンの業務があり、点検業務などを行う施設もあります。
当直は2−3年目から行う施設が多い
当直では広い業務範囲をカバーする必要があります。
一般的に1-2年目ですぐに当直業務を任せられることはありません。
というのも当直業務は経験がものをいう業務だからです。代表的な業務を考えても緊急性の高いものやトラブル対応が多いので上司もすぐに当直を任せるわけにはいきません。
私は3年目から当直を行う施設と中堅以上しか当直をしない施設を経験しました。
それぞれの理由を示します。
以上のように施設によって業務範囲が違うことなどが理由で当直を任される経験年数は様々です。
当直は新人には過酷な業務
当直は緊急のトラブル対応がほとんどなので負担が大きい業務の1つです。
負担が大きい理由を示します。
当直業務は初めて見る機械でも対応しなければなりません。また、緊急を要する業務でも正確さとスピードが重視されます。何で呼ばれるかわからないというプレッシャーも新人さんには辛いかもしれません。
【聞き取り調査】当直で業務で嫌なこと
「当直で嫌なこと」を聞き取り調査した結果、知らないことを聞かれたり、1人というプレッシャー、体力的な面と色々な意見が聞けました。その一部を紹介します。
実際の当直者の声
初めての当直ではいつ何で呼ばれるのかわからず眠れなかった。 知らないことを聞かれて先輩に何度も電話をかけて教えてもらいました。対応していただいた先輩には感謝しています。
自分一人ですべての業務を行うので責任感を感じる。ダブルチェックする人がいないのでいつもよりも慎重に業務を行っている気がします。
たまたま怖い先生に当たって怒鳴られたことがあります…。あとは当直で生活が不規則になるのも嫌でした。
ECMOやCHDFの緊急で全く寝られない日は次の日休んでも疲れが取れない。
当直中に学会の準備をしようと思った日に限って忙しい当直になってしまう。結構あるあるだと思います。
私の個人的な意見
当直は大変ですが、当直手当があり、手当が無いと給料が減ってしまうのでどんどんしたかったです。個人的に緊急対応などのトラブル対応は好きだったので楽しく業務を行っていました。
臨床工学技士の当直手当は5000円から12000円
臨床工学技士は当直をしている施設としていない施設があり、当直業務内容や当直手当も施設によって差があります。
ここでは私の経験を元に当直手当について解説します。
臨床工学技士の当直手当の実情
臨床工学技士の当直手当は施設によって違います。この当直手当があるとないのでは収入に大きく差が出ます。
臨床工学技士は基本給よりも残業代や手当で収入が大きく変わる仕事です。
実際私がもらっていた当直手当も5000円から12000円と幅広いです。
施設 | 当直手当 |
---|---|
施設A | 5000円 |
施設B | 12000円 |
施設C | 0円(当直なし) |
施設Aと施設Bでは、週に1回の当直で月の給与に2万円と5万弱の差が出ます。
当直がない施設Cではこの手当が0円なので、その分収入は低い水準になってしまいます。
転職等で職場を選ぶ際は、手当についても確認するのがおすすめです。
業務に見合った当直手当ではない
当直手当は施設Aで5000円、施設Bで1万5000円と幅が広いです。
しかし施設Aと施設Bでは手当が違ってもやっている内容はほぼ同じでした。むしろ施設Aの方が忙しいことが多かったです。
実際の業務量に見合った当直手当をもらうことは難しい…
施設Aと施設Bで同じ当直をしていても年間で20-30万円程度収入が変わります。
年末年始は手当が上がる
年末年始やGWなどの大型連休の当直は手当が上がります。
通常の1.2倍になったり、1日1万円の手当がついたりと様々な形で当直手当が増額されていました。
人によって「やる、やらない」があると思いますが、個人的には美味しい当直でした。
当直のない施設
当直がない施設に就職したいという人は以下を確認してみて下さい。
当たり前ですが当直業務がある施設は基本的に急性期を扱っている施設です。
- クリニック
- 慢性期中心の施設
- 臨床工学技士が少ない施設
クリニックや慢性期の施設では当直業務をする必要がなく、臨床工学技士の人数が少ない施設でも業務過多になってしまうため当直を行っていません。
当直のない施設では呼び出しがある
当直のない施設では呼び出しで対応しなければならないこともあります。
当直が置かれていれば呼び出しがなくても済む業務でも自宅から駆けつけなければならないこともあります。
一概に当直が無いほうが楽とは言えません。
当直が無いと当直手当もない
もちろん当直がなければ当直手当が無いので収入も減ると考えていいです。
私の場合は当直手当だけで月5万円程度あったのでなくなると厳しい状況でした。
自分のライフスタイルに合わせて自分にあった施設を選ぶことをおすすめします。
まとめ
当直業務は施設によって業務範囲も手当も異なります。
CEの当直は施設によってしている施設としていない施設があり、実態が明らかになっていません。
この記事は、私の経験から当直の実態の一部を解説したものです。
- 当直に求められるスキル
→2-3年目で行う施設が多く、その期間で習得できる範囲の業務をする。 - 当直手当について
→施設によって異なり、業務に見合わない少額の手当なこともある。 - 当直の大変さについて
→眠れないほど忙しい日もあれば仮眠を取れる日もある。ただしいつ呼ばれるかわからないプレッシャーはずっとある。
もし転職を考えるなら知り合いなどから自分が行きたい施設の当直業務を直接聞くことがおすすめです。
知り合いなんていないという人は転職エージェントから直接聞くこともできます。
転職エージェントは無料で使用することができ、転職についてプロからのアドバイスを受けることができます。転職についての条件を伝えるだけで自分に合った職場を紹介してくれるので転職活動する時間が無い人にもおすすめです。
このサイトでは失敗しない転職に関する情報を発信しています。
転職についての記事はこちらです。
>>CEの転職活動方法3選【失敗しないの方法を解説】
>>転職に有利なCEの要素5選【1人で転職活動は危険】
>>CEの転職先の選び方【各施設の特徴を解説】
コメント