国立大学病院の臨床工学技士って…
- やっぱり給料いいの?
- 忙しいの?
- みんな意識高いの?
そんな疑問に答えます。
私が国立大学病院で臨床工学技士として働いた経験を元に国立大学病院の待遇や働き方、どんな人がいたかを赤裸々に語ります。
結論ですが…
国立大学の臨床工学技士の待遇は、
給料は安く、とても忙しく、意識が高い人とそうでない人の差が激しい職場でした。
大学病院で働くこと自体が名誉なことで経験や研究などは通常の総合病院より学ぶことができます。
私自身はやりがいがあり、楽しく仕事をしていた反面給料の安さに将来への不安を抱えていました。
結局その後転職したわけですが、辞めてよかった点とそうでない点がありました。
大学病院に向いている人は向上心があり、仕事に対してある程度の自己犠牲を覚悟できる人です。
国立大学病院は給料が安い
国立大学病院の給与が安い理由は…
- 基本給が安い
- 当直手当が安い
- 待機手当はまあ普通
私の30歳のときの給与明細です。
基本給(230000円)
+当直手当(15000円)
+待機手当(15000円)
=26万円
これに残業代が足された額が当時の私の給料です。
この月は手取り21万です。
基本給は23万
まず国立大学病院は基本給が安いです。
31歳のときの基本給が23万円でした。
私が勤務していた大学ではなんと定年まで働いても基本給が30万円を超えない計算でした。
この給与表を見たときには声が出ませんでした。
当時子供もまだいなく、妻と2人でしたが今後のことを考えると将来に不安を感じました。
結局転職をして、今ではすでに基本給30万円を超えています。
この点はほんとに転職してよかったと思っています。
当直手当は5000円
私の勤務していた職場では1回5000円程度しか出ませんでした。
安いですよね?
基本的に月2.3回の当直に入ります。
待機手当で月15000円。
当直手当は職場によって変わってくると思いますが、決して暇な当直ではなかったので労働時間に見合っていないと感じていました。
転職後の当直手当は15000円となんと3倍になりました。
これだけで大きく給与アップ出来ました。
待機手当は2000円
待機手当は1回2000円でした。
基本的に月7.8回で月15000円程度。
まあこんなもんかという感じですが、人によっては24時間拘束されてこの値段は安いと思うかもしれません。
でもね…世の中には待機手当なしで24時間365日待機している人もいます。
これならまだまだ恵まれている方です。
国立大学病院の臨床工学技士は忙しい
国立大学病院ははっきり言って忙しいです。
- 緊急の症例が多い
- 残業が多い
- 学会活動が活発
私が勤務していた職場では、4つの部門で待機を行っており、緊急で呼び出しは週に1回程度ありました。
それに伴って残業が増えていき、月に30時間を超えないように調整していました。
残業が月に30時間以上になると事務から怒られるので…
人工心肺などの緊急が立て続けに来ると余裕で30時間を超えますがそれは目をつぶってもらっていました。
また大学病院は教育機関でもあるので、学会発表などの研究は欠かせないものでした。
大学病院でもやっていないところはたくさんありますが私の職場ではしっかり行っていました。
転職後の残業は15時間程度と少なくなりました。
スマホの万歩計でも1年間の平均歩数が転職後は2000歩以上減っていました。
国立大学だからといって意識が高いわけではない
国立大学病院で勤務している臨床工学技士には意識に差があります。
私の職場では職場に住んでいるのかと思うぐらい仕事が好きな人もいれば、愚痴ばかりこぼし、定時になったらさっさと帰っていく人もいました。
- とりあえず仕事しとけばいいって人
- 研究は苦手だけど臨床は一生懸命やりますって人
- 臨床も研究もやらなきゃダメだって人
やっぱり大学病院にもいろんな人がいますよ。
最悪なのはとりあえず仕事すればいいって人…この人はどうしようもない。口を開けば愚痴をこぼし、そのくせ年齢だけは重ねていて後輩からの信頼は薄い。
研究は苦手だけど臨床は一生懸命やりますって人は若い子に多く、しっかり指導すればそれについてきてくれるような子が多かったです。今では学会活動も熱心にしていると聞いています。
臨床も研究もやるって人は大学病院向きの性格です。部門の方針にもよりますが対外的な活動を評価してくれる上司に恵まれればいい環境で臨床と研究のバランスが取れます。
幸い私の職場では上司が体外活動を積極的に行っていたのですごくやりやすい環境でした。
設備、お金の面でも大学病院は恵まれていて最新のデバイスや治療法などを題材にどんどん研究活動を進めていけます。
やはり向上心があり、自己犠牲ができるような人が大学病院に向いています。
国立大学病院を辞めてよかった点
- 給料が上がった
- 残業が少なくなった
- 転職先の雰囲気が良かった
給料が100万円上がった
国立大学を辞めたら2年で年収が100万上がりました。
理由は基本給が上がったことと当直手当が上がったことでした。
将来に不安を抱えたまま働くより転職してよかったと本気で思いました。
残業が少なくなった
国立大学病院を辞めたら残業が少なくなりました。
残業時間は半分までは行きませんが2/3程度になり体はすごく楽になりました。
むしろ暇だなって思うときもあるぐらい…
転職した先の病床数は私が勤めていた大学病院より多く、人工心肺症例なども豊富でした。
それでも残業が減ったのは緊急呼び出しの数が減ったことと、学会の資料作りが減ったのが理由だと思います。
転職後は当直の時間に学会資料の作成時間が取れるようになりました。
転職先の雰囲気が良かった
辞めた先の雰囲気がとても良くすぐ馴染むことが出来ました。
前の職場では、考え方の違う人が多くギスギスすることもありました。
しかし転職先ではみんなで同じ方を向いている感覚があり、とてもやりやすかったです。
もちろん転職前に働き方の雰囲気を確認して転職先を選びました。
私がどんな風に転職活動したかはこちらの記事を御覧ください。
>>臨床工学技士の転職活動の方法3選【失敗しないためにはコネ最強】情報戦です‼
転職エージェントでも転職先の雰囲気などを実際に教えてくれるサービスもあります。
>>【やらなきゃ損‼】臨床工学技士に転職エージェントをおすすめする理由
国立大学病院を辞めて後悔した点
- 研究がしづらい
- コストに関して厳しい
- 転職先との業務範囲の違いに戸惑った
研究がしづらい
やはり大学病院では研究が当たり前の環境でしたが転職後は周りに研究をやっている人が少なかったです。
また研究について指導をしてくれる立場の人が1人しかいなかったことも研究がしづらい原因の1つでもありました。
私の場合は自分で研究を続けていましたが、その環境で研究を続けるのが難しい人も多いと思います。
研究がしたいという人は大学病院を辞めるのは惜しいです。
それでも辞めるなら転職先で研究ができる環境があることを確認してから転職しましょう。
研究をしているかどうかの確認は病院HPや日本臨床工学会での抄録を確認したらわかります。
「〇〇病院臨床工学」で論文や発表がヒットしたら研究活動は行っているはずです。
コストに関して厳しい
大学病院では輸液使い放題、デバイス使い放題とコストに関しては気にすることが少なかったですが、転職後は輸液1つ、デバイス1つでコストを考えて運用していました。
これが国立との違いか…と痛感する出来事でした。
何ならディスポの製品をリユースしていることもありました。
しかし今あるものでどうにかしようと考える癖が付き、自分のスキルアップにつながったとも思います。
設備、お金に関しては間違いなく国立大学病院のほうが恵まれていました。
転職先との業務範囲の違いに戸惑った
臨床工学技士の業務範囲は病院ごとで異なることが多いので、まず最初に仕事に慣れるために勉強し直しました。
また病院でのルールも違い、前の職場では当たり前だったことが通用しないこともたくさんありました。
しかし勉強するたびに別の知識が入り、前の職場での知識と合わさり、新しい職場の人といいディスカッションができる様になりました。
私の場合はいい方向にいきましたが、「前の職場ではこうだった」などと言うことはよくありません。いい印象を持たないことのほうが多いです。
どこに転職しても最初は大変なはずなので慣れるまで頑張りましょう。
まとめ
国立大学病院の臨床工学技士は、給料が安く、とても忙しく、意識の高い人とそうでない人がいる職場です。
大学病院に向いている人は向上心があり、自己犠牲ができる人です。
というのも、残業が多くプライベートの時間が取りにくい欠点はありますが、経験や研究については他の総合病院よりも豊富にできるからです。
現在国立大学病院で働いている人は私のように転職して給料や職場環境の安定を得る事もできます。
これから国立大学病院を目指す人は覚悟を持って仕事を頑張ってください。
私がどんな風に転職活動したかはこちらの記事を御覧ください。
>>臨床工学技士の転職活動の方法3選【失敗しないためにはコネ最強】情報戦です‼
転職サイトを比較した記事はこちら。
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