そもそも、臨床工学技士の就活はたくさん受けることができないから失敗したくないと皆さん感じています。
他にもいろいろな悩みを抱えている新卒者、転職者にたくさん出会ってきました。
- 臨床工学技士の面接って特別なことを聞かれるの?
- 具体的な業務について聞かれるの?
- 医療の基礎知識について聞かれるの?
- どんな回答が正解なの?
この記事を読めば以上のような面接の質問についての疑問が解決します。
一般的な質問に対する回答例などはどこでも見れますが、臨床工学技士面接の質問についてここまで書いた記事は他にありません。
面接で聞かれる質問にはどこでも聞かれる「一般的な質問」と「臨床工学技士ならではの質問」に別れます。
例えば、自分の長所・短所や志望動機はどこでも聞かれる一般的な質問です。一方「臨床工学技士を目指した理由」や「チーム医療についてどう思いますか」などは病院での面接ならではの質問になります。
この記事では「臨床工学技士ならではの質問」を中心に質問例を分類して一挙に紹介します。
私は臨床工学技士として転職を経験し、今では就職の支援や面接対策も行なっています。
紹介する質問はそんな私が集めた325個の質問から厳選したものです。
というのも、実際の質問を調査したところ325個のうち115個が臨床工学技士についての質問でした。
様々なパターンの質問内容を押さえてしっかり面接対策をしましょう。
面接では相手の知りたいことを答える
質問に対する回答を考える前にほとんどの人が見落としている大切なことが一つあります。
自分の伝えたいことだけを話すだけでは好印象を与えることはできません。
面接は自分をアピールする場だから、自分についていろんなことを伝えなければならないと思っている人も多いです。しかしそれは少し違います。
面接は自分をアピールする場ですが、相手が聞きたいことを答えられるかのほうが重要です。相手の聞きたいことを答えて初めてアピールができます。
面接官が知りたいのは「あなたがこの施設で長く働き、成長し、長期的に貢献してくれるか」です。
面接官はこれが知りたくていろんな質問をします。
質問に対して答えを考える前に、面接官が何を知りたいかを考えるようにしましょう。
臨床工学技士ならではの質問8種を解説
自己PRや面接対策についての記事はこちらです。
>>【完全ガイド】臨床工学技士の面接対策!面接での流れ・注意点について
>>【臨床工学技士の就活】面接・履歴書の自己PRの考え方を解説
新卒者、転職者共通で聞かれる質問
- 希望または興味のある業務について
- 就職活動状況について
- 将来について
- 臨床工学技士の役割について
- 細かい業務内容について
- 覚悟について
下記で具体的な質問例を解説します。
希望または興味のある業務について
質問内容
- どの業務に就きたいか、別の業務でも大丈夫か。
- 希望の部門とその理由は。
- 興味のある業務は。
- どんなことが就職してからしたいか。
- 何業務につきたいか、その業務になぜ興味があるのか。
- 自分がやりたい業務の魅力は(透析、ICU、手術室業務など)。
- 興味のある業務、苦手だと思う(自分には向いていないと思う)業務は。
聞いている内容はほとんど同じですが以上のような質問があります。
この質問の意図は就職後のミスマッチをなくすためが多いです。
新卒者には自分が興味のある業務についてしっかり調べているかや自分に軸を持って就職活動をしているかを見極めるために質問をします。
転職者の場合は興味のあるものよりも経験やスキルを聞かれることがほとんどです。
興味のある業務を聞かれた後に、「もしその業務につけなかったらどうしますか」という質問もされることが多いので注意してください。
質問には「他の業務になっても一生懸命働ける」ということをアピールしましょう。
詳しい回答例はこちらの記事を確認してください。
>>
就職活動状況について
質問例
- 単願か併願か。
- 他に受けた病院はあるか、それはどのくらいの規模だったか。
- 他の病院へ実習や見学行ったか。
- 他に受けてる病院はあるのか
- 他の病院を受けたか、なぜその病院を受けたのか。
- 学校の就職についてのルールは。
就職活動についても聞かれる頻度は高いです。
この質問の意図は、単純に学校の就職活動の制度を知りたかったり、他に受けている病院を聞き就職先に一貫性があるのか、さらに合格したら確実に入職してくれるかを知るためです。
この質問に対しては正直に答えましょう。しかし総合病院に魅力を感じていると答えたのにクリニックを受けていたりすると矛盾しているので気を付けるようにしましょう。
将来について
質問例
- どのような臨床工学技士になりたいのか。
- 5年後、10年後、どんな臨床工学技士になっていたいか。
- 入職してからのプランについて、10,20年後どのようになりたいか。
- 大学院進学は考えているか。
- 今後臨床工学技士になる上であなたの目標や大切だと思うことは。
以上のような質問では新卒者、転職者で少し聞きたいことが変わってきます。
新卒者に対しては即戦力は求めてはいません。教育した後に病院に貢献してほしいと思っているので、入職後にしっかり目標を持って働けるかを確認するための質問です。
対して転職者に関しては、しっかりキャリアプランを考えられる人か、すぐに辞めていかないかを確認するために質問します。
入職したらどうしますかという問いにはほとんどの人が「まずはすべての業務を行えるようになり、その後自分の専門性を磨いていきたいです」と答えます。
面接を受けた施設の求めていないキャリアを伝えても意味がありません。例えば、学会活動に積極的でない施設に学会を頑張りたいと言っても全く響きません。むしろ合わないと思われることもあります。
具体的にどこの目標を設定し、どうやって自分のスキルを伸ばし、目標を達成するかを明確にすることで他の人との差が付きます。
ここがポイント‼
回答例のように当たり障りない内容でもいいですが、具体的な業務名、資格名までを入れることができるとより説得力が増します。
臨床工学技士の役割について
質問例
- 臨床工学技士はこれからどうなっていくと思うか。
- これからの臨床工学技士に求められるものは。
- 病院での臨床工学技士の役割とはなにか。
- チーム医療で必要なこと、自分ができることは何か。
- 臨床工学技士の業務で1番大切な業務は。
- 臨床工学技士とは。
以上のように色々な側面から臨床工学技士の役割を質問されることがあります。
教科書などに書いてある答えをいえばある程度は答えられるものですが、病院見学や実習で経験した内容から自分の考えを述べることが一番いいです。
細かい業務内容について
細かい業務内容についての質問では、模範解答はありませんが、以下に実際にあった質問例を示します。
- ダヴィンチについてどう思うか。
- タスクシフトによる業務拡大で大変なことは。
- 他の職種を対象に医療機器の説明会を行うときどのように教えるか。
- 機械の取り扱いについてどう思うか。
- 機器管理についてどう思うか。
- 緊急時の対応をしたことがあるか。
- 苦手だと思う業務について、その事について他の医療従事者から質問を受けたらどうするか。
- 透析室に行ったらどんなことをしたいか。
タスクシフトだったり、実際の医療機器の業務について聞かれることもあり、回答は難しい質問になります。知識が足りなければ素直にわからないと答えるようにしましょう。適当なことをそれっぽく答えることが1番危険です。
「実際の内容についてすべてを理解しているわけではありませんが学校や病院実習ではこのように学びました。」というように付け加えるのもいいです。
覚悟について
質問例
- 働く上で何が重要か。
- 夜勤は大丈夫か。
- 急な呼び出しや残業などあるが覚悟は出来ているか。
- 夜中などの呼び出しがあっても来れるか。
- 緊急呼出に対応できるか。
- Ope室勤務だが体力はあるか。
臨床工学技士として働く覚悟について聞かれることも多いです。
ここではしっかりやる気があるということをアピールできるようにしましょう。
一番ダメな例は「間をおいて迷いながら答えてしまうこと」です。
軽はずみで大丈夫と答えるのではなく、大変だということは理解した上で、自分は臨床工学技士として働きたいという意志を伝えるようにしましょう。
新卒者が聞かれる質問
- 学業について
- 臨床で工夫できること
学業について
質問例
- 履歴書に得意科目は○○とあるが、そう書いた理由は。
- 成績証明書で成績が他より悪い科目についてどうしてこの成績を取ったのか。
- 履歴書に書いてある得意不得意の分野はどういう授業をしたのか。
- 情報処理の成績がいいけど今後の臨床工学技士の仕事にはどのようにかかわってくると思うか。
- もし国家試験に落ちたらどうするか。
新卒者の場合は履歴書に書かれた得意科目や不得意科目について聞かれることも想定しておくと良いです。
得意科目についても、不得意科目についてもどのようにその科目に取り組んでいるかを深く聞かれることがあります。
特に不得意科目については、不得意科目を克服しようとする努力をしているかどうかを見られます。自分で課題を与え、それについてどう取り組んで不得意科目を切り抜けたもしくは克服したのかを考えましょう。
臨床で工夫できること
質問例
- あなたが病院に貢献できることはなにか。
- 履歴書などにある、短所や長所などの質問の後にどう病院での仕事に生かせるか。
- 部活動から臨床工学技士として役立てることは。
- その性格は病院でどのように活かせるのか。
あなたの長所などの性格や経験から臨床に活かせることを聞かれることもあります。
このパターンの質問は長所や短所を聞かれた後に流れで聞かれることが多いです。
自分の性格に合わせた「仕事で活かせる内容」を考えておくと良いです。
具体的に何ができてその結果どうなると考えているのかを考えて回答してください。
転職者が聞かれる質問
- 退職理由について
- 自分の経験、スキル、実績について
- 教育について
退職理由について
質問例
- 以前の職場を退職した理由は何ですか。
- なぜ転職を考えたんですか。
転職者は必ずと言っていいほど退職理由について質問されます。
というのも、「またすぐに転職しないか不安」だからです。
退職理由や転職理由はポジティブな内容で回答しましょう。
「給料が安かった」から、「残業が多かったから」というような理由はNGです。
上記のようになるべく前職の愚痴や悪口を言わないようにして、相手の病院を上げるように回答することが望ましいです。
自分の経験、スキル、実績について
質問例
- 今まで経験してきた業務を教えて下さい。
- 前職での実績はありますか。
- 1番従事してきた業務はなんですか。
転職者は自分の経験やスキル、実績について掘り下げるような質問になることが多いです。
自分がやってきたことに対する結果やどのように貢献したか、自分の院内での役割はどうかなど今までの自分の実績をうまく伝えられるようにしておく必要があります。
さらに今相手の病院が求めている業務に合わせてアピールする実績を考えてください。
透析経験者を求めているのに人工心肺をアピールしても仕方ありません。
上記は参考程度にしてください。相手の求める人材を募集要項をしっかり確認してそこに当てはまる実績や経験をアピールしましょう。病院見学等で病院が求めるスキルや経験を見逃さないように確認することが重要です。
教育について
質問例
- 後輩指導について工夫していることは。
- 後輩指導で気をつけていることは。
- 理想の指導者像は。
ある程度年齢を重ねた転職者の場合は後輩指導やリーダーの資質について質問されることもあります。
自分が実際気をつけている具体例を交えて回答することがおすすめです。
一般的な質問16個を紹介
臨床工学技士の面接でなくても聞かれるよくある質問です。
実際に臨床工学技士の面接で聞かれた質問のみを紹介しています。
基本的に履歴書を掘り下げて聞かれる質問が多いので履歴書から作り込んでしっかり答えられるようにしましょう。
履歴書での自己PRの考え方はこちらの記事で解説しています。
>>【臨床工学技士の就活】面接・履歴書の自己PRの考え方を解説
- 志望動機は。
- 特技について。
- アルバイトで一番苦労したことは。
- アルバイトで得たことはなにか。
- 高校、大学で一番努力したことはなにか。
- 周りの人にどのような評価をされているか。
- 自分の性格は(長所・短所)
- 今までチャレンジじたことは。
- 壁にぶつかった経験は。
- 勉強方法で工夫していることは。
- ストレスの発散方法は。
- 自分の苦手な人と関わっていけるか。
- 内定が出たら、実家から通うか、一人暮らしか。
- 理想の上司と理想の部下はどんな人だと思うか。
- 卒業研究は何をやっているか。
- なにか質問はありますか。
面接での逆質問は答えたほうが好印象
よくある質問として、最後の逆質問があります。逆質問とは面接官に「〇〇さんからなにか質問はありますか」と聞かれることです。
逆質問には「大丈夫です」と答える人も多いですが、できれば質問できたほうが面接官の記憶にも残り、印象も良くなります。
なにか質問はありますか?
私自身臨床工学技士としての勉強のため学会や勉強会などに興味があります。もし差し支えなければ、御院の臨床工学部門で参加している学会や勉強会があれば教えていただけますか?
このように臨床工学技士としての熱意を伝えつつHPなどではわからない情報を聞くと好印象です。
上の質問はあくまで例なのでこれを聞けば間違いないというものではありません。
学会などに積極的に参加しているような施設であれば学会活動について聞くこともできます。
しかし、学会活動を全くやっていない施設では逆効果なので学会についての質問はできません。
他にもしてはいけない質問があります。
このような質問は仕事への熱意が伝わらないばかりか面接官の印象も悪くなるので注意してください。
無料の面接対策をプロに頼むのもあり
自分一人で面接対策となると少し不安になる方もいると思います。
そんなときは臨床工学技士専門の転職エージェントを使用して、転職・就職活動と同時に面接の練習をしてもらいましょう。
もちろん無料で使用可能です。転職エージェントを使って転職活動を行えば、負担なく効率のよい転職が行なえます。
- 就職・転職活動に不安がある方
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転職サイトを比較した記事はこちら。
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まとめ
以上が臨床工学技士の面接で聞かれる質問でした。
臨床工学技士の面接は一般企業とは大きく違う点があります。
その違う点は、「臨床工学技士に関わる特殊な質問がされること」です。
臨床工学技士の面接の場で実際に聞かれた325個の問題のうち115個が臨床工学技士に関する内容でした。いくら筆記や小論文でいい結果を残したとしても面接で好印象でなければ落ちてしまうことも多々あります。
この質問に対しての対策をすることで就職、転職は有利に進むはずです。
この記事が就職、転職の手助けになれば幸いです。
面接対策や自己PRの作り方についてはこちらの記事で解説しています。
>>【完全ガイド】臨床工学技士の面接対策!面接での流れ・注意点について
>>【臨床工学技士の就活】面接・履歴書の自己PRの考え方を解説
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