- あまり残業の多い職場には行きたくない
- 残業が多くても給料が高いところに行きたい
そんな風に思っていませんか?
この記事ではどんな病院が残業が多いかを解説します。
基本的には人数が少なく、人工心肺、心カテ業務、ICU業務など緊急症例が多い施設で残業も多くなります。
しかし残業の量は病院規模や業務内容だけで決まるものではありません。
規模や業務に加えて臨床工学技士の人数や学会発表の数などの要素が絡んで決まります。
この記事を読むと残業が多い病院の特徴がわかり、就職や転職を考えるときの参考になります。
私も転職前に業務の実態を知ることで転職を決意することができました。
転職サイトを比較した記事はこちら。
>>臨床工学技士におすすめの転職サイト20個比較【辞めたいけど求人数は?】
臨床工学技士の残業時間は1-10時間
臨床工学技士会からのデータでは残業時間は下記のようになっています。
残業時間 | n数 | 割合 |
---|---|---|
なし | 664 | 7.9% |
1-10時間 | 3,244 | 39% |
10-20時間 | 2,111 | 25.4% |
20-30時間 | 1,357 | 16.3% |
30-45時間 | 695 | 8.3% |
45-60時間 | 170 | 2.0% |
60-80時間 | 48 | 0.5% |
80-100時間 | 11 | 0.1% |
100時間以上 | 10 | 0.1% |
大規模なアンケートで信頼性のある値になっています。
1-20時間で全体の半数以上を占める結果になりました。30時間以上残業をしている人も全体の10%程度おり、まだまだ環境が良くないところもあるようです。
残業が多い病院と少ない病院
大学病院や総合病院は残業が多い
残業が多いのは大学病院や病床数の多い総合病院、循環器専門の病院などが上げられます。
病院の環境などにもよりますがこれらの病院は緊急が多く残業時間が増えることが予想されます。
クリニックや技士数が多い病院は残業が少ない
残業が少ないのは透析クリニックや人数の充実した総合病院です。近年では労働環境改善の意識が高い病院も増えています。規模の大きい病院でも臨床工学技士の数が充実して残業が少ない施設も多くあります。
病院の種類だけで残業の多い少ないを決めるのは少しむずかしいのが現状ですが、基本的に医療機器管理や透析業務のみの病院では残業が少ないことが予想されます。
いろんな施設での働き方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>臨床工学技士の転職先での働き方【経験者が解説】
残業が多くなる4つの理由
働いていて残業が多くなる原因は様々です。単純に業務過多であったり、緊急が多かったり、それこそ残業が少ないように見えてサービス残業しているという人も多いと思います。
担当分野の残業が多い
臨床工学技士の業務は大きく分けて下記のようになります。
- 透析
- 人工心肺
- 心カテ
- ICU
- 医療機器管理
- 内視鏡
- 手術室
残業多い | 残業少ない |
---|---|
人工心肺 | 透析 |
心カテ | 医療機器管理 |
ICU | |
内視鏡 | |
手術室 |
透析業務の残業は少ない
透析業務では比較的残業は少ないと考えていいです。しかし急性期の透析を行っている施設では、緊急の血液浄化が施行されることもあるので、すべての施設で残業が少ないとは言えません。
基本的にクリニックや診療所での透析業務なら残業は少なく、総合病院で急性期血液浄化を行っている施設では残業が多くなります。
私は大学病院に勤務していましたが、透析業務での残業は月20時間、待機も月20日あり、バリバリ呼ばれていました。
土日の出勤が代休を取る形ではなくすべて残業になっていたので平気で月30時間超えるときもありました。
医療機器管理は残業が少ない
医療機器管理に関しては、病院内の医療機器の管理にが仕事になります。
緊急性のある仕事は少なく、定時に終わる可能性が高いです。
ただ病棟でのトラブルなどオンコール体制を取っている施設では呼び出されることもあります。
残業が多い業務の特徴
人工心肺、心カテ、ICU、内視鏡、手術室は共通して残業が多くなります。
理由はどの業務も緊急呼び出しや日勤からの残業が増えるからです。
さらに臨床工学技士は看護師さんのように3交代を取っている施設はほとんどないので、途中で交代してもらうことも出来ません。
そのような環境で残業が増えていきます。
- 人工心肺は1度呼び出されれば1症例で7時間は働くことになります。
- 心カテ、内視鏡では症例にもよりますが2-3時間で終わることもあります。
- ICUは多様な業務がありますが、長く拘束されることは少ないです。
緊急呼び出しについての記事はこちら
>>臨床工学技士の待機環境【30分で行きます】
人が少ないと残業が多い
院内の臨床工学技士の人数が少ないとそれだけ一人に対する業務量が多くなり、残業も増えてしまいます。
実際に総合病院での臨床工学技士の業務範囲は広く、数人のメンバーですべてを行わなければならない施設も多いです。
単純に人工心肺、心カテ、透析、医療機器管理、内視鏡、手術室の業務をすべてやろうと思うと最低8人は必要になります。
もし8人の臨床工学技士で待機を回すとしても2.3日に1度は待機することになり、それだけ残業が増えます。
病院によっては技士長の采配で業務範囲にしっかり線を引いて過多にならない様に仕事を行っている施設もあります。
例えば、医療機器管理に関しては業務委託していたり、心カテは検査技師や放射線技師に任せている施設もあります。
私も月20日の待機が普通だと思っていた時がありましたが、新人が7人入職したことで環境が激変し、一気に待機が10日以下に減りました。
当直で残業が多くなる
当直がある病院では残業が多くなる傾向になります。
理由は
- 当直後に残って仕事をする
- 当直している=業務範囲が広い
- 当直中の仕事に残業代が付くことがある
- 当直代が残業として支払われることがある
当直をしている病院は基本的に大きな病院が多く、臨床工学技士の業務範囲も多くなります。その分残業も増える傾向にあります。
労働基準法的にいいのかはわかりませんが、病院によっては当直代+残業代(当直中に働いた分)で手当が支払われるケースもあります。
となるとやはり残業時間が増えますね。
私は当直後に残って仕事をすることも多かったですが、残念ながらシステム上そこに残業を付けることはできなかったのでサービス残業でした。
学会発表が多いと残業も多い
学会発表を積極的に行っている病院は残業も多くなります。
実は、学会発表の準備等の残業はほとんどサービス残業。
特に大学病院は教育機関・研究機関を兼ねている病院なので研究をする大義名分があります。そのほかにも積極的に学会発表を行っている病院もありますが技士長の方針で決まるところがほとんどです。
今の時代背景を考えると若い子に無理やり発表させることは少なそうですがこれが通るのが医療職です。
学会発表に使用する資料の作成やデータ収集に時間を取られますがサービス残業の増加につながります。
さらに任意という名の強制勉強会や研究会の参加などで時間を使うことも多々あります。
自分の成長と思い時間を使える人はいいですが中にはプライベートを大切にしたい人もいるのでそんな方は転職を考えてもいいです。
残業なしの職場を探す方法は2つ
残業の量は募集要項に書いてあるものもありますが、実態はわかりません。そんな不安を抱えたまま就職し、失敗したら大変です。
残業無しの職場を探す方法は2つを示します。
- 実際に働いている人に聞く
- 転職エージェントを利用する
転職前に病院の内情を知る方法は転職先の知り合いに聞くか、転職エージェントを使用するしかありません。
しかし転職先に知り合いがいる可能性は少なく現実的ではないので、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントは転職を有利に進めるためにとても役立ちます。
転職先の労働環境を調べてくれるだけでなく、自分の要望の職場を探してもらえ、面接対策までしてもらえます。会員登録だけでサービスがすべて無料。
絶対に転職に失敗したくないなら転職エージェントを使用するべきです。
残業が多いのが向いている人
残業が多いのが向いている特徴は
- 忙しくても給料が欲しい人
- 緊急が来ると燃える人
- たくさん勉強したい人
- 家ですることがない人
これに当てはまる人は残業が多い職場でもやっていけると思いますし、むしろ自分の強みを見つけて臨床工学技士として大きくなれる可能性を秘めています。
残業が多いのが向いていない人
残業が多いのが向いていない人の特徴は
- 給料にこだわりがない人
- 家族との時間を大切にしたい人
- 趣味の時間が欲しい人
- 体力に不安がある人
これに当てはまる人は残業が少ない病院を選ぶべきです。プライベートを犠牲にしてまで残業をする必要はありません。自分のライフスタイルに合わせた病院や職場を選ぶべきです。
仕事のために仕事をするのではなく、プライベートのために仕事をしている人がほとんどだと思います。
臨床工学技士の有給休暇取得率
臨床工学技士会からのデータでは有給休暇取得率は下記のようになっています。
有休取得数 | n数 | 割合 |
---|---|---|
0日/年 | 199 | 1.4% |
1-5日/年 | 1,314 | 15.8% |
6−10日/年 | 3,255 | 39.1% |
11-15日/年 | 2,035 | 24.4% |
16-20日/年 | 1,321 | 15.8% |
20日以上/年 | 266 | 3.2% |
ネットで調べる口コミ情報よりもn数も多く信頼できる値です。
約40%以上の人が年間10日以上の有給休暇取得を取得できていることがわかります。
単純計算で月に1日程度はお休みをもらえていることになります。
大手一般企業だと当たり前ですが病院では年間10日以上取れれば多い方です。
ついでに私は年間10日以下だったと記憶しています。
退職時も有給休暇を使えず30日残して退職しました…今思えばブラックですね。
>>退職決定者専用!臨床工学技士が退職時にする行動5選【有休消化できる?】
そんなに忙しくて休憩は取れるのか?
休憩時間に関しても臨床工学技士会からデータが出ています。
休憩時間 | n数 | 割合 |
---|---|---|
はい | 3,849 | 46.3% |
ある程度取れる | 3,376 | 40.6% |
半分程度 | 821 | 9.8% |
ほとんど取れない | 233 | 2.8% |
いいえ | 31 | 0.3% |
約半数が休憩はしっかり取れていて、半分以上取れている人を合わせると9割以上の人が取れています。
私も休憩は半分ぐらいは取れていて、たまにゆっくり休憩が取れるときはソワソワしてました。
まとめ
臨床工学技士の残業は施設によって異なり、さらにその施設の業務や技士長の方針などでも大きく変わります。また当直や人数でも状況が変わります。
一概にどうゆう病院なら残業が少ないとは言えず、難しい課題ではありますが、
医療機器管理と透析業務(急性期以外)を行っている施設ならプライベートを充実させながら仕事を行うことが出来るのではないでしょうか。
逆に厳しい環境に身を置きたい人は緊急の症例をどんどん受け入れている施設に挑戦してみてください。残業が多い分給料も上がります。
臨床工学技士全体での残業の量は
残業時間 | n数 | 割合 |
---|---|---|
なし | 664 | 7.9% |
1-10時間 | 3,244 | 39% |
10-20時間 | 2,111 | 25.4% |
20-30時間 | 1,357 | 16.3% |
30-45時間 | 695 | 8.3% |
45-60時間 | 170 | 2.0% |
60-80時間 | 48 | 0.5% |
80-100時間 | 11 | 0.1% |
100時間以上 | 10 | 0.1% |
この様になっており、20時間以下が目安と考えて良さそうです。
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